カノープス探査行
カノープスとは
りゅうこつ座α星で明るさは-0.6等(全天ではシリウスに次いで明るい恒星)。
位置:RA=06h23m57s/DEC=-52゜41’44
中国では南極老人星とよばれ、この星を見れば長生きできる=長寿の星とされてきた。
県内でカノープスを見るには、この時期を逃すわけにはいかない。
本県は北緯36度30分~37度内の範囲であるため、
(90゜-52゜-37゜=1゜の計算により)
地平線より約1度高度があるはずなのだが..
実際には、本県が(北以外の全ての方角は)3000m級~1000m級の山で囲われているため、平地からこの星を拝める場所は皆無に近い。
(県境の山々に上れば見えるだろうとは思われる。)
さらに困ることは、おおいぬ座やりゅうこつ座が日本で見られるのは冬の時期であること。
北陸地方では降雪期にあたり、晴天が殆ど望めない。かつ、積雪のため山間部へは上れない。
で、当地でカノープスを拝むためにはこの時期(秋)、低空まで澄み切った明け方に見るしか手がないことになる。
#前置きが長くなってしまった。
実は、約20年前のこの時期、師匠に誘われ氷見市一刎地区の人里のある場所で一度カノープスを見たのだが、具体的にその場所が思い出せない。
また、その時カメラに撮らなかったので証人(同行者)は居るが、証拠(写真)が無い。
そういうわけで、再度本県内でカノープスを目撃したくなった。今度はしっかり証拠写真も残したい。
【10月後半】
月もなく条件の良い日もあったが、平日晩は業務があるため移動できず、また、スワン彗星迎撃に忙殺されカノープスどころでなかった。
↓「ステラナビ」によるシミュレーション
画像はステラナビゲータV6で作成(11月25日午前2時)
【11月24日~25日】待ちに待った週末。月も無い。
夜半にかけては曇天状態。諦めかけたが夜が更けるにつれ雲が無くなり快晴になった。
深夜12時過ぎ、(以前、下見をしておいた)氷見市熊無地区に向け出発。
自宅から下道約50余kmの行程。
福光-津沢-高岡市(旧福岡町)-同市五十里-氷見市仏生寺-同市大野(R415)-同市熊無
1時30分頃現地到着。当初、道の駅「熊無」近くのゴミ処理センター付近を候補にしていたが、実際に星空を見ると南方面に障害があり急遽変更。
早速カノープス?があるとおぼしき箇所を双眼鏡で探す..あっ!
右端の明るい星は、GSC8125.2314、 2.90等、RA:06h49m56.17s DEC:-50゚36'52.7
稜線にかかる星は、GSC8130.2235、 5.19等、RA:07h00m51.50s DEC:-51゚24'09.4
(いずれも「ステラナビV6」データより抜粋(J2000)。
↑ED180mmF2.8望遠、↓ED18-70ズーム望遠側で撮影
どうやら、見えるのはカノープスではなく近くの恒星らしい..もうちょっと右下(西南)にあるはず
真南は少し右側(西側)と気づいたが、近くの山の稜線が邪魔する
カメラと三脚、双眼鏡を持ち、東方向へ歩いて手前の木立が邪魔するぎりぎりまで移動
しかし..とき既に遅く、カノープス目撃には至らず..orz
★あと1°だったのに...★
しかし、上の画像をよく見ると、一番低空が見える部分は若干(真南よりは)東よりだと判明。
(つまり、この場所は惜しいところで近くの山の稜線に邪魔されカノープスは見えないと判明)
こうして、残念ながら既にカノープス可視時刻は過ぎてしまった。
国道すぐ近くで、厳冬期でも来られそう?と期待していたが、この場所は断念せざを得ない。
(この後、撤収時に国道のトンネルを挟んで東側に見られそうなポイントを見つけました)
悔しいので上記を確かめる意味も込め、南を中心に星空を撮影。
撮影場所は氷見市論田地区であろうと思いますが、なかなか空も暗そうです。
R415道の駅「熊無」を越した途端に石川県羽咋市になります。
R415は氷見・高岡から羽咋市(千里浜方面)へ抜ける最短ルートとして知られています。
もう1枚(D70)
さらに1枚
これが最後
晩秋11月も後わずか..師走(12月)目前。このように低空まで晴れ上がる日はもう無いかも知れない。
=これがラストチャンスなのかも..(残念)
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